冬場になると悪化する症状に　関節痛や腰痛などの「痛み」や　手のこわばりにより手指が動きにくく生活の質や気持ちが落ちることがあります

冬に増悪するこれらの症状の漢方的な原因として

◎寒さや冷えが影響する「風寒邪」（ふうかんじゃ）

◎雪や天候不順などが影響する「風湿邪」（ふうしつじゃ）

などがあります

対策としては　外界からの影響（寒さなど）を除きながら（解表）、身体の内側から温めたり（散寒）、湿気を除く（祛湿）漢方薬を用いることで痛みの改善が期待できます

寒さで悪化する痛み

寒邪による痛みは　部位が固定している強い痛みが多く　温めると軽減し、冷えると増悪します

全身性の冷えが強い神経痛

「麻黄附子細辛湯」・・元々は感冒の薬ですが、身体を温める働きがとてもあります　虚弱体質、痩せ気味で食欲もあまりない方、手足に冷えを良く感じ悪寒がある方　またこれからの季節アレルギー性鼻炎、気管支喘息にも効果的

首筋～肩、腕の痛み、手指の痛み、寝違え

「独活葛根湯」・・パソコン・スマホでうつむき姿勢が多く　慢性的に肩が重だるい、肩の筋肉がこわばる方、四十肩、五十肩

手足の冷え、特に下半身が冷える方

「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」・・もともと貧血体質、しもやけになりやすいなど血行不良の方

寒さ、天候の悪化、湿気による悪化の痛みに

上半身の痛みに

「桂枝加朮附湯」・・風邪の初期症状に用いる桂枝湯に身体を温める附子と身体の水分の循環をよくする蒼朮を加え　胃腸の弱い方にもおすすめ

疲れやすく、下肢が冷えやすい腰痛・関節痛、下肢のしびれ・痛みに

「独活寄生丸」・・寒湿に対応しながら血を補い、腎をケアします　慢性的に持続する痛み、長時間の労働で疲れた身体の痛みにおすすめです

手足が冷え、身体が重だるい方の腰痛、関節痛に

「五積散」・・氣・血・水のバランス、寒さ、食欲の滞り（五積）を取り除くと　痛みのみならず、婦人科疾患や胃腸症状などにも効果的　特に冷えのぼせ（上熱下冷）がある方におすすめ

寒さ対策として

１）お風呂・・湯舟につかる　お気に入りの香りの入浴剤をいれてリラックスする

２）首、手首、足首をウォーマーなどで温める

３）冷たい飲み物、アイスクリームなどより温かい飲み物をとる